股関節脱臼
股関節脱臼とは
大腿骨(太ももの骨)が、骨盤から脱臼する疾患です。多くは交通事故などの外傷が原因です。
症状
後ろ足の挙上(足を上げること)
検査
触診、X線検査:脱臼の有無と、どの方向に脱臼しているかの評価をします。
治療
非観血的整復(手術しない方法)と観血的整復(手術する方法)があります。股関節形成不全や重度の関節炎、骨折などが無い場合にはまず非観血的整復を試みることが一般的です。整復後は特別な包帯で固定します。整復が不可能であったり維持できない場合や、基礎疾患に股関節形成不全や関節炎が認められる場合には、非観血的に整復しても再脱臼したり関節炎が進行する可能性が高いため、観血的整復が選択されます。
観血的整復には一般的に以下の術式が選択されます。
・トグルピン法:大腿骨と骨盤を人工靭帯で結び、トグルと呼ばれるアンカーを設置することで外れるのを防止する方法です。大腿骨頭を温存できます。
・大腿骨頭切除術:もっとも一般的に行われる手技です。大腿骨頭を切除する方法です。切除してしまっても、偽関節と呼ばれる関節様構造の出現により機能は回復します。
左側の股関節が脱臼しています
大腿骨頭切除術実施後