予防医療・避妊去勢手術
PREVENTION
病気の予防・早期発見のために
私たち人間が人間ドックを受けることで病気を未然に防いだり、
早期発見に努めるように、動物たちも病気にならないようにしたり、病気の早期発見のための健康診断を受けることをお勧めしています。健康寿命を長くすることで、動物たちとの生活をより充実したものにできます。
フィラリア対策
フィラリアとは、白い糸状の細長い寄生虫で、蚊を媒介して感染します。既にフィラリアに感染している犬や猫の血液を蚊が吸い込んだ際にフィラリアごと吸い込み、未感染の犬・猫を吸血する際に唾液などから体内に感染させてしまいます。
蚊はどこからともなく家の中に侵入し、人間やペットの血を吸います。お庭でワンちゃんを飼われている場合は言うまでもなく、室内飼いだとしても完全に吸血の機会をなくすのは難しいのが現実です。
感染時にはフィラリアはまだ幼虫で小さいのですが、体内で徐々に成長をし、大きいものだと20〜30cmほどになります。成虫は体内で幼虫を生みますから、知らぬ間に心臓に何十匹もフィラリアが生息している…という事態を招きかねません。
対策方法・時期
食べるタイプのお薬、皮膚に塗布するタイプのお薬、注射タイプがあります。
フィラリアに感染している状態で駆虫薬を投与してしまうと、命に係わる副作用を引き起こすことがあります。そのため投与開始の際には血液検査を行い、フィラリア感染の有無から確認します。投与時期は八王子ですと5月〜12月です。
食べるタイプのお薬や皮膚に塗布するタイプのものは月に1度の投薬が、注射タイプのものは年に1度の実施が必要です。ノミ・マダニとともに予防できるお薬もあります。
ノミ・ダニ対策
ノミ・ダニはペットの体にくっつき、吸血します。ノミもダニも数多くの種類が存在し、主に吸血が原因で引き起こされる貧血と、ノミ・ダニの唾液を介して病原菌が体内に入り引き起こされることで生じる感染症があります。
効果的な予防方法としては家の中にノミ・ダニが住みつかないようにこまめに清掃を行う、お散歩の際に極力草むらを避けるということなどが挙げられます。
ノミもダニも繁殖力が非常に強いため、一匹見つけたらそのほかにも卵や幼虫を含め、多数いる可能性があります。また近年ではマダニが媒介となり、人にSFTS感染症(重症熱性血小板減少症候群)を引き起こすことが分かっており、死者もでています。その他にもノミ・マダニはさまざまな感染症を媒介するので、人の予防もかねて犬・猫の予防対策は大切です。
対策方法・時期
食べるタイプのお薬、皮膚に塗布するタイプのお薬があります。
お薬によって変わりますが月に1回、もしくは3か月に一回投薬します。八王子ですと3月から12月までが目安の投薬時期です。また、ノミもマダニも完全に草むらからいなくなることはありません。そのため温かい冬などは1月、2月も予防する必要があります。10℃以上が目安となります。フィラリアとともに予防できるお薬もあります。
混合ワクチン接種
犬や猫には、感染してしまうと深刻な影響を及ぼす可能性のある感染症があります。それらへの感染を未然に防ぐ目的で、感染症のウイルスのごく少量を体内に入れることで抗体を作りだすのがワクチン接種です。人間も子供の頃にワクチン接種を行うのと同じ原理で、病気のかかりやすい子犬・子猫のときにワクチン接種を行うのが効果的です。
ワクチンは大きく2種類に分けることができ、全ての犬や猫が接種すべきとされている「コアワクチン」と、居住地域や生活スタイルによって感染リスクが高い場合に接種すべきとされる「ノンコアワクチン」があります。「ノンコアワクチン」は1年おきの接種が推奨されているため、当院では一年ごとの接種を推奨しています。また、子犬・子猫は、母親からの移行免疫が残っていると上手に抗体を作ることができません。そのため、初めてのワクチンは一ヶ月おきに計3回の接種が推奨されています。
過去にワクチンアレルギーを起こしたことがあるなどワクチン接種へ抵抗がある場合、ワクチンの抗体価を測定することができます。血中の抗体価がしっかり保たれている場合、抗体価の証明書をお渡しし、サロンやホテルの利用も可能です。詳しくはスタッフにお尋ねください。
犬・猫それぞれ、対策を行う感染症の数によっていくつかワクチンの種類があります。当院では犬は6種と10種、猫は3種のワクチンをご用意しています。
抗体価測定・・・¥9,900
犬6種ワクチン・・・¥7,700
犬10種ワクチン・・・¥8,250
猫3種ワクチン・・・¥4,620
※別途、診察料¥880がかかります。料金は全て税込。
対策方法・時期
注射により接種を行います。子犬の場合は接種の推奨時期があります。
- ●1回目のワクチン…~9週齢
- ●2回目のワクチン…1回目の3~4週後
- ●3回目のワクチン…2回目の3~4週後
なお、その後は年に1度の接種が1つの目安となりますが、ペットの個体差によっても接種のタイミングが異なりますので、まずは当院の獣医師へお気軽にご相談ください。
狂犬病注射
狂犬病は一度発症すると人であろうと犬であろうと100%死に至る怖い病気です。そのため、その予防を目的に法律で予防接種が義務付けられています。狂犬病注射は必ず年に一度受けさせましょう。
避妊・去勢手術
避妊手術とはメスの卵巣と子宮(当院では猫は卵巣のみ)を、去勢手術とはオスの精巣を手術により取り除き、子供ができないようにするための手術です。近年は不必要に赤ちゃんを作らせない目的とあわせ、病気の予防、ストレスや攻撃性・異常行動の抑制のために行う飼い主様が増えてきました。
手術を行うメリット・デメリットを理解したうえで最善の選択を取れるよう、ご不安な点があればいつでも相談に応じます。