動脈管開存症
動脈管とは
動脈管とは、胎児期に大動脈と肺動脈をつなぐ血管のことで、通常、出生後に閉鎖します。しかし、この動脈管が閉鎖しない場合、動脈管開存症となり、大動脈の血液が肺動脈へと流れていってしまい、心拡大や心不全を起こすことがあります。
心臓超音波検査では大動脈から動脈管を通って肺動脈内に流入する血流が確認されます。
発生は犬で多く、猫ではあまり多くありません。
マルチーズやトイプードル、ポメラニアンなどの小型犬やコッカースパニエル、シェルティなどの中型犬、キースハウンドなどの大型犬と様々な犬種での好発が報告されています。
犬では動脈管開存症は雌に多いとされており、雌で雄の約2倍多く発生します。
動脈管開存症は治療を行わなければ、診断から1年以内に64%の犬が死亡するという報告があり、非常に危険な心臓病です。治療はカテーテルを使った方法や胸を開いて直接動脈管を縛る方法があります。健康診断で心雑音がある、子犬で呼吸が荒い、他の子犬と比べて疲れやすく、成長が遅いなどの症状が見られます。
カテーテルを使った動脈管開存症の治療