当院での腫瘍科症例紹介
1. お腹にしこりがある
診断 | 乳腺腫瘍 |
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処置 |
手術前 手術後 |
お腹にしこりができたという主訴で来院されました。避妊手術をしていない子は、乳腺腫瘍の発生率が高くなります。 |
2. 最近、元気と食欲がある時とない時の波がある
診断 | 脾臓の血腫を伴う結節性過形成 |
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処置 |
術前の腹部レントゲン検査 摘出後の脾臓 |
時々元気がないとのことで来院されました。 |
3. 食欲が落ち、痩せてきた
診断 | LGL(大顆粒リンパ球性)リンパ腫 |
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処置 |
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超音波検査を行ったところ、消化管に腫瘍性病変が認められました。内視鏡検査を行い消化管の組織を採取したところ、LGLリンパ腫と判明しました。高齢の猫の消化管に起きやすく、リンパ腫の中でも予後が悪いと言われていますが、本症例は抗がん剤治療により腫瘍の大きさが小さくなってきています。 |
4. 一週間前からクシャミをして、今朝から鼻血が出ている
診断 | 鼻腔内腺癌 |
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処置 |
鼻腔に認められた腫瘤 |
急に片方の鼻から鼻血が出たとのことで来院されました。 |
5. 1か月前から夜のトイレが我慢できない
診断 | 移行上皮癌 |
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処置 |
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夜中にトイレに行きたがるようになったため受診されました。 |
6. 食欲が落ちてきた
診断 | 精細胞腫・精上皮腫 |
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処置 |
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食欲が落ちてきたのを主訴に来院されました。触診で腹部に腫瘤が触れたため、検査を行いました。 |
7. 肛門周りにできものがある
診断 | 肛門周囲腺上皮腫(疑い) |
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処置 |
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肛門の周りに10か月ほど前からあったできものが大きくなってきたとのことで来院されました。細胞診を行ったところ、「肛門周囲腺上皮腫の疑い」と診断されました。この子は2年前にも肛門周囲に同様の腫瘤が形成され、切除したところ「肛門周囲腺腫」と診断されています。その2つは似て非なる腫瘍であり、肛門周囲腺腫は良性腫瘍ですが、肛門周囲腺上皮腫は低グレード悪性腫瘍に分類されます。転移の可能性は低く切除後の再発率は高いですが、増大し自壊しやすいため外科手術が推奨されます。また、確定診断にも病理組織検査が必要となるため、近日中に切除する予定です。 |
8. 悪性中皮腫
診断 | 悪性中皮腫 |
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処置 |
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胸腔、腹腔、心膜を裏打ちしている中皮細胞が腫瘍化したものです。 |
9. 脾臓の血管肉腫
診断 | 血管肉腫 |
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処置 |
脾臓の血管肉腫 |
好発犬種:G.レトリーバー、ジャーマン・シェパード、R.レトリーバー、M・ダックス、M.シュナウザー、W.コーギー |
10. 心臓の血管肉腫
診断 | 血管肉腫 |
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処置 |
心臓の血管肉腫:図の右上(右心耳)に大きな腫瘍を形成している |
心臓の周囲には心膜という膜があり、心臓と心膜の間を心膜腔という。血管肉腫が破裂し出血すると、心膜腔内へ血液がたまり心膜腔内圧が上がり、心臓がうまく膨らみきれず、循環不全を引き起こし、ショック状態に陥ってしまう。 |
11. 尻尾の皺を拭いたら血が付いた
診断 | 扁平上皮癌 |
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処置 |
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お散歩後に、尻尾の皺を拭いたら血が付いたとのことで12歳のフレンチブルドッグが来院されました。確認すると、尾の先端に直径1.5㎝の皮膚腫瘤が形成されており、表面が爛れていました。細胞診では「上皮性腫瘍の疑い」と診断され、パンチ生検では「扁平上皮癌」と診断されました。CT検査により転移が認められないことを確認したうえで全身麻酔下で切除し、病理組織検査に提出したところ、改めて「扁平上皮癌」と診断されました。この子の腫瘍の切除状況は良好ですが、今後再発や転移の有無について定期的にチェックしていく予定です。扁平上皮癌は皮膚の悪性腫瘍ですが、外科手術で取り切れれば予後は良好である場合が多いです。しかし、発生部位によっては外科手術が困難であり、放射線治療や化学療法を行う場合もあります。 |
12. 肛門の脇にしこりがある
診断 | 肛門嚢腺癌 |
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処置 |
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トリミング時にしこりを指摘されたことで来院。肛門嚢の硬結を認めました。エコー検査にて腫瘤性病変を認め、細胞診にて肛門嚢腺癌と診断されたため後日、CT検査を行いました。 犬の肛門嚢腺癌は,肛門嚢のアポクリン腺由来の悪性腫瘍です。悪性度が高く、リンパ節への転移が生じやすく、初めて来院された時にリンパ節への転移が認められることもあります。また,肺や腹腔内臓器への遠隔転移することもあります。 |
13. 体表のリンパ節の腫大
診断 | 多中心型リンパ腫 |
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処置 |
細胞診検査 |
症状はなく、定期的な検査の時にリンパ節の腫大がみられました。細胞診検査・遺伝子検査の結果、B細胞性多中心型リンパ腫と診断されました。リンパ腫の初期はほとんど症状がないことが多く、無治療では約1ヶ月で亡くなってしまいます。 全身性の血液の癌であるため、外科手術でなく抗癌剤の化学療法が治療の中心になってきます。 抗癌剤により1年近くの生存が期待できます。 |