みなみ野動物病院

当院での症例のご紹介

消化器科

1. 前日から何回も吐き、食欲がない

診断 異物による腸閉塞
処置
異物による腸閉塞
異物による腸閉塞

レントゲン検査と超音波検査を行ったところ、消化管に異物が詰まり腸閉塞を起こしている事が分かりました。
内視鏡では届かない場所だったため、外科手術にて異物を摘出しました。異物は梅干しの種でした。

2. お尻が腫れていて、便が出にくい

診断 会陰ヘルニア
処置
会陰ヘルニア 手術前

手術前

会陰ヘルニア 手術後

手術後

去勢手術をしていない中高齢のワンちゃんは、男性ホルモンによってお尻まわりの筋肉が薄くなり、ヘルニアを引き起こす病気があります。
それにより排便困難や、排尿困難が認められ、外科手術が必要になることがあります。
人工素材埋没法(ポリプロピレン・メッシュ法)にてヘルニアの整復を行うと同時に去勢手術を実施し、必要があれば補助的処置として結腸や膀胱の固定術を行います。

3. 下痢と嘔吐を繰り返す

診断 リンパ球形質細胞性胃腸炎
処置

下痢と嘔吐を繰り返すため来院されました。
全身精査、ホルモン検査を行いましたが異常が認められなかったため、アレルギー検査と内視鏡下にて消化管の病理検査を行いました。
アレルギー検査は陰性で、内視鏡ではリンパ球形質細胞性胃腸炎と診断されました。その後、食事療法で下痢と嘔吐は改善し、今ではとても元気になっています。

4.黒色軟便、嘔吐

診断 鞭虫感染
処置
鞭虫感染

生後約8カ月齢のフラットコーテッド・レトリーバーが、黒色軟便と嘔吐を主訴に来院されました。おもちゃの誤食により催吐処置歴のある症例だったため、今回も誤食の可能性を疑い、腹部X線検査、腹部超音波検査を実施しましたが、明らかな異物誤食・消化管閉塞所見は認められませんでした。
しかし、同時に実施した糞便検査で鞭虫の虫卵が検出されたため、駆虫薬による治療を行ったところ、1週間後の再診時には各種症状の改善が認められました。糞便検査という基本的な検査の重要性を改めて実感させられた症例です。

5.排便困難

飼い主様の訴え 排便困難
1歳の時にブリーダーさんの所で去勢済み
検査結果

レントゲン検査

前立腺肥大により直腸が腹側から圧迫

超音波検査

前立腺肥大・嚢胞

超音波検査

腹腔内に腫瘤1つ確認

CT

CT検査にて腹腔内に
遺残する精巣を2つ確認

病理検査 精巣上皮腫
処置 睾丸が2つ共に腹腔内に停留し、去勢済みと誤認。
腹腔内の精巣が腫瘍化し、前立腺の肥大化を引き起こした。
腹腔内精巣の切除により前立腺の退縮が期待される。

6. お尻が腫れている、痛い

診断 肛門嚢炎、肛門嚢破裂
処置 肛門嚢の洗浄、抗生物質と消炎鎮痛剤の投薬

肛門嚢炎、肛門嚢破裂_治療開始前

治療開始前

肛門嚢炎、肛門嚢破裂_治療開始3日後

治療開始3日後

12歳のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが、お尻が腫れ、痛みがあるとの主訴で来院されました。
肛門嚢内容物は血膿様で感染が認められ、肛門嚢破裂により肛門の左下方に瘻管を形成していました。
排膿、洗浄を行い、自宅での抗生物質と消炎鎮痛剤の投薬を指示しました。
症状が重篤であったり、再発を繰り返す場合は、手術が必要になることもあります。

7. 肛門嚢炎が何度も再発する

処置 肛門嚢摘出

手術前	肛門嚢にシリコンを注入

手術前 肛門嚢にシリコンを注入

摘出した肛門嚢

摘出した肛門嚢

手術後

手術後

肛門嚢炎を繰り返し発症してしまった症例です。肛門嚢炎は、通常は抗生物質と消炎鎮痛剤による内科的に治療しますが、何度も再発してしまう場合や重篤な場合は手術を行い、肛門嚢を摘出することがあります。
お尻を壁や床に擦り付ける行動をとるようになったり、お尻をよく舐めるようになったりした場合は肛門嚢炎による痒みが原因の場合があります。また肛門腺液の臭いが変わったり、肛門腺液が白く濁っていたりした場合も肛門嚢炎が原因の場合がありますので、これらのことに気づいた場合は病院に相談することをお勧めします。

8. 生後5カ月齢の保護猫

診断 回虫感染
処置
糞便検査(浮遊法)にて検出された回虫卵

糞便検査(浮遊法)にて検出された回虫卵

糞便検査(浮遊法)にて検出された回虫卵(強拡大)

糞便検査(浮遊法)にて検出された回虫卵(強拡大)

生後5カ月齢の保護猫の糞便検査を実施したところ、回虫卵が検出されました。回虫の感染は、感染猫の糞便とともに排出された虫卵や、待機宿主であるげっ歯類や鳥類の経口摂取、または感染猫の乳汁を摂取することにより成立します。猫に感染する回虫の多くは猫回虫であり、雌の成虫は体長10cmほどにもなる線虫です。
とくに若齢の動物では下痢や嘔吐、成長不良、被毛不良を引き起こすことがあります。少数感染では無症状のこともあるため、新しく猫ちゃんやわんちゃんをご自宅に迎え入れた際には、体調に問題がなくても糞便検査を実施することをおすすめします。

9-1. 繰り返す消化器症状(回腸壁肥厚)- 11歳去勢雄(雑種犬)

診断 肉芽腫性炎症(脂肪肉芽腫)
処置
エコー所見

エコー所見

2日前からの嘔吐と食欲不振、活動性低下を主訴に来院されました。エコー検査にて回腸一部の筋層が肥厚していたため、開腹し病変部を切除し病理組織検査を依頼しました。退院後、症状は改善し、現在低脂肪食およびステロイド内服で経過観察中です。

9-2. 繰り返す消化器症状(回腸壁肥厚)- 13歳去勢雄(トイ・プードル)

診断 リンパ球形質細胞性腸炎(内視鏡)※細胞診では結果出ず。
処置
エコー所見

エコー所見

1ヶ月前から良便と下痢を繰り返すとのことで来院されました。対症療法にあまり反応せず、食欲はありましたが体重減少・削痩もみられたためスクリーニング検査を実施したところ、回腸粘膜下~筋層の肥厚がみられ、麻酔下で細胞診および内視鏡生検を実施しました。現在低脂肪食(元々食べていた) およびステロイド内服で経過観察中で、症状は改善しています。

どちらもエコーで「回腸壁の肥厚」という所見でしたが、結果や症状が異なりました。病気によって診断・治療方法も異なります。また、同じ病気でも、その子その子によって検査所見が異なることもあります。似たような症状でも様々な病気を考えなくてはなりません。

10. 血中蛋白質の低値

診断 リンパ管拡張を伴うリンパ球形質細胞性腸炎
処置
エコー所見

青矢印:正常な消化管
黄矢印:異常な消化管

4歳のシェットランドシープドッグで、健康診断で来院しました。
血液検査にて総蛋白質の低値が見つかり、超音波検査では少量の腹水貯留および小腸の異常を認めたため、後日内視鏡下で生検を実施しました。採取した組織の病理検査ではリンパ管拡張を伴うリンパ球形質細胞性腸炎と診断され、消化管からの蛋白質漏出が疑われました。治療として低アレルギー食への変更およびステロイドによる免疫抑制療法を開始し、現在は改善傾向が認められています。

この疾患は下痢等の消化器症状が出ることが多いものの、今回はほとんど症状が認められていませんでした。しかし放置すると腹水貯留や血栓症等による急変の可能性のある疾患のため、健康診断の大切さを改めて感じた症例でした。

11. 前日から続く嘔吐

診断 急性膵炎
処置
腫大した膵臓(低エコー性)と周囲の脂肪(高エコー性)

腫大した膵臓(低エコー性)と周囲の脂肪(高エコー性)

膵臓周囲の腸管(十二指腸)炎症が波及し波うってみえる(コルゲートサイン)

膵臓周囲の腸管(十二指腸)
炎症が波及し波うってみえる(コルゲートサイン)

6歳の紀州犬が前日からの嘔吐を主訴に来院されました。
各種検査を行い、血中の膵特異的リパーゼの上昇、膵臓の腫大や腸炎の所見などを認め、急性膵炎と診断しました。
犬の急性膵炎は特発性が多いですが、高脂肪・低蛋白食や、無分別な食事(普段と異なる食事、ゴミ漁りなど)は膵炎発症のリスク要因となります。重度の膵炎では、炎症性サイトカインによって全身的な炎症に波及しショックを引き起こす可能性や、胆管閉塞を合併することがあるため、入院下での治療が必要になります。今回は入院下で消炎剤や抗生物質等の投与と、膵臓への循環量維持、脱水の補整などを目的とした輸液療法を実施し、現在は退院し元気になっています。

12. 血便

診断 ポリペクトミー(大腸内腫瘤)
処置
電気メスの出力装置

電気メスの出力装置

高周波スネア(全体)ワイヤーを閉まった状態

高周波スネア(全体)ワイヤーを閉まった状態

高周波スネア先端部分

高周波スネア 先端部分

大腸内腫瘤

大腸内腫瘤

腫瘤に高周波スネアをかけて加熱

腫瘤に高周波スネアをかけて加熱

腫瘤切除後の大腸

腫瘤切除後の大腸

切除した腫瘤

切除した腫瘤

12歳のチワワが、血便があり、他院で内視鏡検査を行って大腸内の非腫瘍性ポリープを指摘されたという主訴で来院されました。 腸管内の腫瘤では、種類や状態によって外科手術により切除しますが、今回はポリペクトミーという方法を選択しました。ポリペクトミーは、電気メスの出力装置に接続した、高周波スネアという投げ縄状のワイヤーのような器具を内視鏡の先から出し、これを腫瘤に引っ掛けて電気熱を発生させることで腫瘤を焼き切るという手法です。大腸内の腫瘤には大腸腺癌や大腸腺腫、ミニチュアダックスフンドの炎症性結直腸ポリープ、ジャックラッセルテリアの遺伝性多発性ポリポーシスなどがあります。ポリペクトミーを行う利点としては、大掛かりで侵襲性の高い外科手術を行わずに腫瘤を切除できるということ、その後の病理診断で良性と判断され切除の状態が良ければそのまま治療としても成立するということ、再発した場合にも繰り返し実施可能であること、出血が少なければ最短で翌日に退院可能であること、などがあります。この症例でも摘出した腫瘤を病理検査に出し、現在はその結果に基づいて治療を進めています

13.生後2ヶ月齢の子犬の下痢

診断 コクシジウム症
処置
糞便検査(浮遊法)にて検出されたコクシジウムのオーシスト

糞便検査(浮遊法)にて検出されたコクシジウムのオーシスト

生後2カ月齢の子犬が下痢、食欲低下を主訴に来院されました。糞便検査を実施したところ、コクシジウムが検出されました。
コクシジウムは若齢の犬や猫で検出されます。通常、感染性のオーシストを経口摂取することにより感染します。 下痢を引き起こしますが、症状は軽度から重度まで様々です。治療は駆虫薬の投薬によります。 単回投与により駆虫されますが、中には複数回の投薬が必要な症例もいます。今回の症例は幸い、単回投与により駆虫され、症状は消失しました。

14.下痢、嘔吐

診断 糞線虫症
処置
糞便検査にて検出された糞線虫の幼虫

糞便検査にて検出された糞線虫の幼虫

2カ月齢の子犬が、下痢と嘔吐を主訴に来院されました。 1回目の糞便検査では寄生虫は検出されませんでしたが、4日後の再検査にて「糞線虫」が検出されました。 「糞線虫」は主に子犬に寄生し、粘液や血液を含む下痢を引き起こします。 なかには寄生虫性肺炎が生じることもあります。本症例は、2日間の駆虫薬の投与により無事治癒しましたが、この寄生虫は、 人獣共通感染症でもあるため、お家に迎え入れたばかりの子犬が下痢をしているときは積極的に糞便検査をすることをおすすめします。

内科

1. 突然の皮下出血

診断 免疫介在性血小板減少症
処置
免疫介在性血小板減少症1

第1病日 歯肉の点状出血

免疫介在性血小板減少症2

第1病日 腹部の皮下出血

来院時、腹部全域、歯肉、結膜に皮下・点状出血を認め、各種検査の結果、免疫介在性血小板減少症と診断しました。免疫介在性血小板減少症は、抗体介在性に血小板が破壊されることにより生じる臨床症候群です。皮膚や粘膜に点状出血や斑状出血が突然起こり、元気食欲の低下や血便、吐血、鼻出血などが生じます。この疾患の治療は、ステロイドなどの免疫抑制療法が主体となります。

2. 食欲低下、嘔吐

診断 閉塞性黄疸
処置
閉塞性黄疸
閉塞性黄疸
閉塞性黄疸

7歳のネコが、食欲の低下と嘔吐を主訴に来院されました。全身精査を行ったところ、血液検査にてビリルビン高値、尿検査にてビリルビン結晶が認められ、黄疸が示唆されました。黄疸は原因によって、体内で赤血球が壊れることで起こる溶血(肝前)性、肝臓実質の障害による肝細胞性、胆汁のうっ滞による閉塞(肝後)性に分類されます。今回は超音波検査にて胆嚢及び総胆管の拡張が確認されたため、肝臓で作られた胆汁が排出されずにうっ滞することで血中へビリルビンがあふれ出し、閉塞性黄疸が起きたと考えられます。まずは内科的治療を開始しましたが十分な反応が得られなかったため、外科手術を実施しました。手術では胆嚢と空腸の一部を切開し、それぞれの切開部位をつなげて縫いわせることで胆汁の流出路を確保しました。術後は徐々に症状の改善が認められました。

3. ここ数日食欲と元気が低下している

診断 子宮蓄膿症
処置
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症

7歳の女の子の柴犬が、数日前から元気と食欲が低下しているという主訴で来院されました。避妊手術は行っておらず発情終了直後ということから生殖器の疾患を疑い検査を行ったところ、体内で強く炎症が生じており、子宮に液体が貯留し、子宮壁に複数の嚢胞が形成されていたため、子宮蓄膿症を第一に疑いました。子宮蓄膿症は子宮内に細菌感染が生じて膿汁が貯留する疾患で、避妊手術をしていない女の子であればだれでも生じうるもので、特に中年齢以上で発症率が高いです。基本的には外科的に子宮と卵巣を摘出し、抗生剤を使用することで避妊と治療を同時に行います。 外陰部から膿汁排出がみられる場合もありますが、食欲や元気の低下、尿量の増加、嘔吐などの非特異的な症状のみの場合も多いため、発見が遅れることも多い疾患です。

この症例は手術と抗生剤投与を行い、現在ではすっかり元気になっています。

4. 痩せてきた

診断 糖尿病
処置

12歳の雑種猫(去勢雄)が、「体調は良いし、ごはんもしっかり食べているけれど、痩せてきた気がする」とのことで来院されました。体重は3か月間で8kgから6.5kgに減少していて、飲水量と尿量の増加があるとのことでした。血液検査や尿検査、エコー検査などを実施したところ、血糖値が428㎎/dl(正常値は71~159)と非常に高く、尿糖も出ていて、その他には大きな問題がなかったため、糖尿病と診断しました。現在、その猫ちゃんには毎日飼い主様がインスリンで治療をしてくれているのと併せて、尿糖や体調の変化などを表に書いてもらっています。

今回の主訴は「痩せてきた」でしたが、犬や猫の飲水量や尿量が明らかに増えたなと感じた際には、糖尿病だけでなく「腎不全」「ホルモン疾患」「膀胱炎」「子宮蓄膿症」などなど…いろいろなことが考えられます。もちろん「夏」「気持ちの問題」など、病気ではない場合もあります。「あれ?うちの子、最近よくお水を飲むかも…」と気になったら、動物病院の受診をおすすめします!

5. 1か月前から耳の赤みが良くならない

診断 副腎腫瘍によるクッシング症候群
処置
副腎腫瘍によるクッシング症候群

耳根元の脱毛と痂皮

副腎腫瘍によるクッシング症候群

腹部皮膚の菲薄化

耳の赤みに対して抗生剤の内服や点耳薬を使用するも、良くならないとの主訴で当院を受診されました。耳根元の皮膚は左右対称性に脱毛を生じ、白色の痂皮が多量に付着していました。他にも腹囲膨満や皮膚の菲薄化が認められ、内分泌疾患に伴う皮膚病が疑われました。各種検査を実施したところ、右の副腎腫瘍によるクッシング症候群であることが判明しました。この病気は内科的に管理することは困難なことが多く、治療の第一選択は、腫瘍化した副腎の摘出手術となります。しかし、遠隔転移や大血管への浸潤が認められる場合は、外科治療が不適応となることもあります。

6. 脾臓の腫瘤が大きくなってきた

診断 結節性過形成
処置
健康診断で見つかった脾臓腫瘤のエコー画像

健康診断で見つかった脾臓腫瘤のエコー画像

増大した腫瘤のエコー画像

増大した腫瘤のエコー画像

摘出した脾臓(◯部分が過形成所見)

摘出した脾臓(◯部分が過形成所見)

血管シーリングシステムを使用した手術(写真は別症例)

血管シーリングシステムを使用した手術(写真は別症例)

3年前に健康診断で脾臓に腫瘤が認められ経過観察を行なっていましたが、急速に増大したため脾臓を摘出しました。脾臓にみられる疾患の約6割は血管肉腫などの腫瘍性疾患であり、それ以外は血腫や脾臓捻転などが挙げられます。本症例で認められた脾臓の結節性過形成は良性腫瘍に分類され、臨床症状もほとんどありませんが、大型化して腹腔内臓器を圧迫したり、破裂して大量に出血しショック状態になることもある疾患です。脾臓腫瘤は良性・悪性のいずれの場合でも摘出することが治療となります。結節性過形成は脾臓摘出後の予後が良好とされています。

脾臓は血液成分に富む臓器で、脾臓摘出後に脾臓へ流れ込むはずだった血管から出血してしまうことがあります。本症例では血管シーリングシステムを用いた外科手術を行なうことで、確実に止血し、組織を摘出することができました。また、縫合糸を用いて血管を結紮する手術よりも短い時間で手術を終えることができました。

7. 偶発的に検出された門脈体循環シャント- 6歳ミニチュアシュナウザー 避妊雌

診断 門脈体循環シャント

CT撮影により、偶発的に脾静脈横隔静脈シャントおよび門脈の萎縮が発見されました。それまでに、シャント血管の存在による症状(神経症状、発育不良、消化器症状等)や肝数値の異常等は認められていませんでしたが、食前・食後の総胆汁酸値を測定すると高値でした。
治療
CT画像(黄色○がシャント血管)1

CT画像(黄色○がシャント血管)

CT画像(黄色○がシャント血管)2

CT画像(黄色○がシャント血管)

術中 左:門脈造影 右:シャント血管の結紮

術中 左:門脈造影 右:シャント血管の結紮

経過 無治療で経過観察をすると将来的に肝性脳症等を発症する恐れがあるため、左胃静脈ー横隔静脈結紮術を実施しました(左図)。術後数日は門脈高血圧症やてんかん発作の発症リスクがあるため、抗てんかん薬の使用、エコー検査や血液検査等でのモニタリングを実施しながら経過観察し、無事退院しています。その後も体調は良好です。

歯科

1. 口臭がひどくなった

診断 歯周病
処置
歯周病 処置前

処置前

歯周病 処置後

処置後

口臭の原因は、重度の歯周病によるものと考えられました。
歯周病は放置しておくと、様々な問題を起こすことがあるため、歯石除去と、抜歯処置を行いました。
歯石の除去は歯の表面だけではなく、歯周ポケットも行わないといけないため、当院では麻酔下で実施しています。
処置後、口臭は改善し、口の痛みが取れて以前より食欲が増えました。

泌尿器科

1. 数日前から頻尿で、今朝血尿が出た

診断 膀胱結石
処置
膀胱結石 膀胱の中の石

膀胱の中の石

膀胱結石 手術で取り出した石

手術で取り出した石

レントゲン検査から、膀胱内に結石があることが分かりました。
ワンちゃんネコちゃんは、体質的な問題で膀胱に結石ができてしまう子がいます。
結石の形状がギザギザしていることから膀胱粘膜を刺激し、頻尿と血尿を引き起こしていました。膀胱結石の治療法は、結石が溶けるか経過を見る(残念ながら溶けない結石が近年増えています)食事療法か、結石を摘出する外科手術になります。

2. 片側の腎臓腫大

診断 腎細胞癌
処置
腎細胞癌 腹部造影CT画像

腹部造影CT画像

腎細胞癌 腹部X線画像

腹部X線画像

腎細胞癌 左側腎臓エコー画像

左側腎臓エコー画像

他院にて偶発的に発見された左側の腎臓腫大について、セカンドオピニオンのため当院を受診されました。X線・エコー検査にて左側腎臓の構造変化を伴う腫大、血液検査ではヘマトクリット値の上昇や腎数値の上昇を認めたことから、腎臓の異形成、腫瘍、梗塞、FIP(猫伝染性腹膜炎)などを鑑別に挙げました。追加検査として腎臓の細胞診とCT検査を実施したところ、細胞診では、腎細胞癌が第一に疑われ、CT画像からも腎細胞癌と矛盾のない結果が得られました。この時点で腫瘍の転移所見は認められなかったため、治療のためには腫瘍化してしまった腎臓の摘出手術が第一選択となりますが、この症例については飼い主様の希望により、外科手術などの積極的な治療はせず、対症療法のみの対応となりました。

3. 尿が出ていない

診断 尿道閉塞
処置
尿道閉塞 画像01
尿道閉塞 画像02

来院した時点でうずくまっており、立ち上がるのも困難な状態でした。お腹を触ってみると、膀胱がパンパンに膨れていました。そこで超音波検査を実施したところ膀胱、尿道が拡張しており、尿道が閉塞していることを強く疑いました。本症例は尿が出ていないことにより急性腎不全、高カリウム血症、不整脈を起こしており危険な状態でした。直ちに尿道にカテーテルを入れて詰まりを解消した上で、1週間ほど入院し治療を施したところ、腎臓とカリウムの数値は基準値まで低下し、心電図も正常に戻りました。その後カテーテルを外してもしっかりと尿が出ることを確認した後、退院しました。

眼科

1. 右眼をショボショボさせて、床に頭をこすりつける。

診断 緑内障
処置
緑内障 義眼挿入器とシリコンボール

義眼挿入器とシリコンボール

緑内障 矢印:手術後(義眼挿入)

矢印:手術後(義眼挿入)

右眼の眼圧上昇から緑内障と診断されました。充血や涙目が認められ、疼痛によりこすったりします。
点眼などの内科療法で眼圧をコントロールできる場合もありますが、視力喪失と持続的な痛みのため、今回は外科手術が適応となり、義眼挿入術を実施しました。
眼球ごと摘出する方法もありますが、眼球内にシリコンボールを挿入することで、外観上、正常の左眼とほとんど区別がつきません。

2. 角膜潰瘍が治らない

診断 自発性慢性角膜上皮欠損症(以下SCCEDs)
処置
不整に増殖した角膜上皮を剝離し、格子状切開を施した後

不整に増殖した角膜上皮を剝離し、格子状切開を施した後

SCCEDsでは、潰瘍周囲の角膜上皮と実質の間に隙間が存在したまま不整に増殖してしまうため、数週間~数か月にわたって表層性の角膜潰瘍が治らず、痛みも持続します。この場合、通常の角膜潰瘍の治療(点眼治療)には反応しないため、この症例では、全身麻酔下で、不整に増殖した角膜上皮を剝離し、細い針を用いて角膜に格子状の切開を加え、その後眼瞼を縫合しました。計3週間、眼瞼縫合しながらの点眼治療を続け、無事に治癒に至りました。

皮膚科

1. 皮膚を痒がり、毛が抜けている

診断 膿皮症
処置
膿皮症
膿皮症

治療前の写真を見ると、皮膚は赤く変色し、円形の脱毛と黒いフケのようなものが確認されます。
これらの症状は膿皮症という皮膚の表面への細菌感染によって起こります。膿皮症を起こした皮膚は痒みがあることが多く、この写真のわんちゃんはしきりに皮膚を舐めたり、噛んだりしていました。
抗生剤と抗菌シャンプーを使って治療し、症状の改善が認められました。

2. 脱毛と痒みが増した

診断 マラセチア性皮膚炎
処置
マラセチア性皮膚炎

梅雨明けの頃から、体表の毛が抜けて痒みが増したとのことで来院されました。 眼の周囲・背中・大腿の脱毛や色素沈着、腹部の発赤・フケ、首の発赤・脱毛・苔癬化(上図)などが認められたため皮膚検査を行ったところ、病変部に多数のマラセチアが認められました。 マラセチアとは犬の体表に常在し皮脂を好む酵母様真菌です。そのため脂漏症の子の体表、脂の分泌が多い耳などで過剰増殖しやすく、マラセチア性皮膚炎や外耳炎の原因となることがあります。特に高温多湿になる季節には特に注意が必要です。 現在この子は抗真菌薬の内服とシャンプーで治療中です。

3. 全身の「かさぶた」が治らない

診断 ニキビダニ症
処置
ニキビダニ症

「半年前から手足を舐め始め、徐々にフケが出てきて、他院にて外用薬を処方されたが悪化している」とのことで2月に来院されました。来院時には背中全体、四肢端、眼囲、鼻稜などに厚い鱗屑(フケ)がみられ、下腹部には面皰がみられ、中程度の痒みがありました。皮膚検査ではブドウ球菌やマラセチアなどの二次感染がありましたが、後日局所麻酔下で病理組織検査(4~6㎜の円形刃で皮膚の一部をくり抜く検査)を実施したところ、毛包虫(ニキビダニ)が多数認められ、ニキビダニ症と診断されました。この子はロチラネル(商品名:クレデリオ)を投与し2週間後には改善傾向がみられ、2か月後には皮疹がほぼ消失したため治療終了としています。

4. 耳の毛が抜けてフケが出ている

診断 皮膚糸状菌症
処置
皮膚糸状菌症

5か月齢のネコが、「1週間前から左耳の毛が抜けてフケっぽい。」とのことで来院されました。写真のように、左耳のみ裂毛(切れ毛)及び鱗屑(フケ)が認められましたが痒みはないようでした。ウッド灯(皮膚糸状菌の多くが光る)では光りませんでしたが抜毛検査を行うと感染被毛がみられたため、抗真菌薬を処方しました。2週間後には鱗屑は消失し、徐々に毛も伸びてきました。1カ月半後の診察時には耳の毛はすっかり元どおりになりました。皮膚糸状菌症は主に環境中のMicrosporum canisが若齢のネコなどに感染し、発症します。人獣共通感染症ですので、ご家族に皮疹がでることもあり、ご自宅の消毒等も重要になります。

5. 顔まわりを中心にオレンジ色の小さな物体が複数付着

診断 ツツガムシ
処置
ツツガムシ

3~4時間ほど家の外へ脱走した猫で、顔まわりを中心にオレンジ色の小さな物体が複数付着していました。採取して鏡顕すると、ツツガムシと思われる虫体が見つかりました。ツツガムシは人にも感染してリケッチアと呼ばれる菌を媒介することがあるため、注意が必要です。この症例では駆虫薬の使用により駆除されました。

6. 鼻、耳、目周囲のかゆみを伴うできもの

診断 好酸球性せつ腫症
処置
好酸球性せつ腫症

1歳齢のバーニーズマウンテンドッグの男の子が、鼻、耳、目周囲にかゆみを伴うできものができたとの主訴で来院されました。来院時、鼻梁や耳介・眼瞼辺縁に複数のびらんや出血を伴う小結節を認め、2日後には陰嚢にも同様の皮膚病変が拡大していきました。一般的な皮疹ではなかったため皮膚生検を行ったところ、「好酸球性せつ腫症」と診断されました。犬ではまれな疾患で、正確な病因は解明されていませんが、昆虫の刺傷あるいはクモの咬傷に対する過敏反応が疑われています。急性に発症し、かゆみや痛みを伴う丘疹、結節、痂皮、潰瘍などが顔面に好発します。ステロイドの全身投与により治療します。この症例は約4週間のステロイド投与により無事治癒しました。

7. 猫の肥満細胞腫

診断 肥満細胞腫 皮膚型
処置
病理組織学検査

病理組織学検査

肥満細胞腫には皮膚型と内臓型があります。猫の皮膚腫瘍のうち、6.8~21.1%が肥満細胞腫と言われており、頭部・頚部・耳介に発生することが多いです。皮膚にできる単発性の肥満細胞腫はほとんどが良性と言われていますが、多発性のものや内臓型肥満細胞腫の転移病変では全身症状がみられることがあります。
本症例では耳介辺縁にできものがあり、細胞診を実施した結果、肥満細胞腫と診断されました。また、転移の有無を確認するために浅頚リンパ節の細胞診と、胸部・腹部のレントゲン検査、腹部の超音波検査を行ないましたが、転移病変は認められなかったため、全身麻酔下で外科的に切除しました。今回の症例はリンパ節や内臓に転移がなく、病理組織学検査にて完全切除できたことが分かっており、予後は良好と言えます。
また、今回は耳介に腫瘍ができていたため全身麻酔をかけて切除しましたが、肥満細胞腫は発生した部位によっては鎮静と局所麻酔のみで切除できることがあります。

8. 耳が痒い

診断 耳ヒゼンダニ症
処置
耳ヒゼンダニ症

9カ月のジャックラッセルテリアが、耳の痒みを主訴に来院されました。両耳から黒く乾いた耳垢が採取され、顕微鏡で観察したところ、画像のように耳ヒゼンダニが確認されました。駆虫薬を投与して2週間後の再診時には痒みの改善が認められ、虫体も消失しました。耳ヒゼンダニ症は特に若齢の犬猫で多く認められます。接触感染する可能性が高いため、同居動物との接触がある場合は注意が必要です。

9. 体の毛が薄くなってきた

診断 毛周期停止
処置
毛周期停止
毛周期停止
毛周期停止

2歳齢から体の毛が薄くなってきたとのことで来院。初診時は体幹の脱毛がみられ、脱毛は大腿尾側、頚部腹側に広がった。

【検査】
・毛検査では休止期毛がほとんど
・甲状腺ホルモンは正常値
・血液検査も異常無し
・皮膚生検を実施したところ「毛周期関連性脱毛」とのコメント

【診断】毛周期停止(別名「脱毛症X」など)
※脱毛する皮膚疾患は、内分泌疾患、性ホルモンの影響などいくつか挙げられますが、検査により他の疾患は否定的であるため、毛周期停止と診断しました。

【治療と経過】
毛周期停止の治療としてはビタミン剤、薬、サプリメントなど様々です。ただ、どの子も必ず発毛する治療法はなく、治療は長期戦になることが多いです。また、発毛しても全身均一ではなかったり、治療を止めると脱毛が再発してしまうこともあります。この子はビタミン剤や、前立腺肥大治療薬を試し、経過観察しているところです。

耳鼻科

1. 昨日の散歩後から右耳を気にする

診断 耳道内異物
処置
耳道内異物

1歳の雑種犬が、昨日の散歩後から右耳を気にしているとの主訴で来院しました。
耳鏡で耳道内を観察したところ、奥の方に植物らしき異物が存在しているのが確認できました。通常の耳洗浄ではこのような異物は除去できないため、全身麻酔下で耳道内へ硬性鏡を挿入し、異物を無事除去することができました。この症例の場合は、異物が鼓膜を突き破り、中耳まで入り込んでいました。
今回の異物は植物の「ノギ」でしたが、耳道内の異物としてまれに遭遇します。強い痛みを伴うことも多いので、散歩中に草むらに入り込むのが好きな子は注意が必要です。

2. 耳垢が取りきれない

診断 耳垢栓子

鼓膜周囲に皮脂を多く含む耳垢や細胞屑が蓄積し、さらに毛が絡んでしまうと徐々に大きくなり、耳垢の栓子を形成することがあります。中には動物が不快感を感じたり、鼓膜を損傷することもあります。

処置
耳道内から除去した耳垢栓子

耳道内から除去した耳垢栓子

今回の症例(4歳ヨークシャーテリア)は、過去に外耳炎歴があり、数カ月間通常の耳洗浄を継続しても除去できない栓子であったため、全身麻酔下で硬性鏡を用い摘出しました。

呼吸器科

1. いびき、呼吸が苦しい

診断 鼻咽頭狭窄
処置
鼻咽頭狭窄のCT画像

鼻咽頭狭窄のCT画像

狭窄部:バルーン拡張処置前

狭窄部:バルーン拡張処置前

狭窄部:バルーン拡張処置後

狭窄部:バルーン拡張処置後

バルーン拡張処置の様子

バルーン拡張処置の様子

4才の猫(去勢雄、雑種)が、小さいころから認められていたいびきの悪化と、呼吸が苦しいことを主訴に来院されました。各種検査を実施したところ、鼻咽頭に重度の狭窄があることが分かりました。猫の鼻咽頭狭窄は、上気道感染(ネコカリシウイルス感染やネコヘルペスウイルス感染など)後に後天性に生じることがあります。この症例の過去の病歴は不明ですが、治療として、狭窄部のバルーン拡張術を実施しました。処置後、症例の呼吸状態は著しく改善し、約1ヶ月間、再発防止のためのステロイド投与とネブライザー処置を行い、治療終了とすることができました。再発が多い疾患のため、呼吸状態の変化には注視する必要がありますが、バルーン拡張術は明らかな症状の改善を認められる処置のため、実施する価値の高い治療法であると感じます。

2. 暑い日の呼吸が荒い

診断 短頭種気道症候群
処置
術前画像

【術前】軟口蓋(黄矢印、鉗子でつかんでいる部分)が長く、気管の入口(青矢印)を塞いでしまう状態。この写真では麻酔中のため気管チューブが入っています。

術後画像

【術後】軟口蓋(黄矢印)が短縮され、気管の入口が見える状態になりました。

術前画像1

術前

術後画像2

術後

暑い日に呼吸が荒く、苦しそうという主訴で来院されたフレンチブルドッグです。外鼻孔が狭く、レントゲンにて軟口蓋過長が認められ、上部気道閉塞に起因する症状と診断されました。短頭種では生まれつきの外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、気管低形成などの特徴が見られることが多く、これに起因する症状を総称して短頭種気道症候群と呼ばれます。特に夏の暑い日は呼吸状態悪化のリスクが高く、注意が必要です。この症例では手術にて外鼻孔拡大、軟口蓋短縮、喉頭小嚢切除を実施しました。術後の腫れが落ち着くと呼吸状態にも改善が認められました。

予防医療

1. ノミ・マダニ 予防の重要性

予防
ダニ

ノミ・マダニに刺されると、痒みなどの皮膚症状や貧血を引き起こすだけでなく、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの様々な感染症のリスクが生じます。SFTSは、人がマダニから直接吸血されることで感染、あるいはマダニに寄生されたペットの体液から感染することもあり、人と犬で致命率約30%、猫で60-70%と非常に高く、確実な予防が重要となります。
できものだと思っていたものがマダニだったケースもあり、当院でも令和3年3月~5月の間に18件のマダニ寄生症例が来院しています。
当院では予防薬として錠剤タイプ、おやつタイプ、背中に垂らすタイプの3種類をご用意しております。フィラリアも一緒に予防できるオールインワンタイプもありますので、お気軽にご相談ください。
マダニが寄生してしまった場合にはご家庭で取り除かず、病院での抜去をおすすめします。

2. ワクチン後ムーンフェイス

予防
ムーンフェイス
ムーンフェイス

ワクチン接種は発症すると命にかかわる感染症や、治りにくい感染症を防ぐために行います。体調に問題ないワンちゃんやネコちゃんでは、健康に影響を及ぼすことはほとんどありませんが、稀に副作用を起こすことがあります。これはワクチンに対するアレルギー反応になります。
ムーンフェイスは接種後数時間から数日で症状が現れます。全身的な痒みや顔の腫脹が特徴的です。今回の症例もワクチン接種翌日に顔面の腫脹が現れました。アレルギー反応を抑えるために抗ヒスタミン剤とステロイドにて治療を行いました。
ワクチン接種後、アナフィラキシー反応がみられることもあります。こちらの反応は約1時間以内に現れます。アナフィラキシー反応は治療しないとそのままショック状態陥り死に至ることもあります。ワクチン接種後、1時間ほどは様子をよく観察しましょう。ワクチン接種後に少しでもおかしい様子があれば必ず受診してください。

生殖器科

1. 膣ポリープ

診断 膣ポリープ
治療
膣ポリープ

13歳パグ 未避妊雌(今回実施)

「昨日突然、陰部から何かが出てきた」とのことで来院されました。外陰部からせり出すピンク色の腫瘤が確認され、触診にて膣から発生していることが確認されました。
特徴的な臨床像から膣ポリープを考え、全身麻酔下で切除しました。また、膣ポリープ形成には性ホルモンが関与していることが考えられるため、併せて子宮卵巣摘出術を実施し、今後経過観察としています。

中毒

1. ハチ刺傷

診断 ハチ刺傷
治療
ハチ刺傷

ハチ刺傷当日の胆嚢
胆嚢壁の浮腫がみられる。

ハチ刺傷

治療5日目の胆嚢
胆嚢壁の浮腫が改善した。

3歳のフレンチブルドッグが、ついさっきハチに刺され、嘔吐したとの主訴で来院されました。
頻脈、口腔粘膜蒼白、パンティング、股圧の低下を認め、血液検査でALT上昇、CK上昇がありました。また、超音波画像検査により胆嚢壁の浮腫を起こしていることが分かりました。ハチ毒に対するアナフィラキシーと診断し、輸液・注射薬の投与と、ICU管理を行いました。当日中に一般状態の改善がみられたため通院治療としました。
数日間の内服によりALT・CK値は改善し、また胆嚢壁の浮腫も治まりました。
ハチ毒に対する反応には、局所反応、全身性アナフィラキシー、遅延型過敏症反応の3つがあり、いずれも適切に治療する必要があります。ハチが多い場所では刺されることのないように注意が必要です。

整形外科

こちらのページをご覧ください

循環器科

こちらのページをご覧ください

腫瘍科

こちらのページをご覧ください

内視鏡・硬性鏡

こちらのページをご覧ください

TOP