みなみ野動物病院

当院での整形外科

神経科症例紹介

1. 自転車にひかれ、その後前脚をあげてしまう

診断 橈尺骨折
処置
橈尺骨折 手術前

手術前

橈尺骨折 手術後

手術後

レントゲン検査にて橈骨と尺骨の骨折が認められました。
ワンちゃんは人と違い、折れた足を不動化させる事が難しいため、ギブスなどの外固定で骨折を治療すると癒合不全や変形癒合が生じやすくなります。そのため、骨にプレートを添える外科手術で治療をしました。

2. 左後ろ脚を挙げており痛そう

診断 レッグ・カルベ・ペルテス病
処置
レッグ・カルベ・ペルテス病 手術前

手術前

レッグ・カルベ・ペルテス病 手術後

手術後

レッグ・カルベ・ペルテス病は、若齢期の小型犬において大腿骨頭や骨頸部が壊死及び変形(赤丸部分)し、痛みを伴う疾患です。
治療として、大腿骨頭頸部を切除することにより、痛みを取り除くことができます。

3. 後ろ脚の跛行(ひきずる)、運動量の低下

診断 前十字靭帯断裂
処置
前十字靭帯断裂 手術前

手術前

前十字靭帯断裂 手術後

手術後

他院より紹介された症例です。身体検査、X線検査により前十字靭帯断裂と診断されました。
前十字靭帯断裂は後肢跛行の原因としてよくあげられます。大型犬だったことから治療方法として外科手術を選択し、
TPLO(tibial plateau leveling osteotomy)という術式で膝関節の安定化を図りました。

4. 階段から落ち、右後ろ脚を上げるように

診断 膝蓋骨脱臼
処置

階段から落ち、右後肢を挙上するという主訴で来院されました。
触診では骨折は認められず、膝蓋骨の脱臼時に痛みを伴っていました。またレントゲンから、膝蓋骨の内方脱臼がみられています。
この子は安静と痛み止めで様子をみて改善がみられましたが、痛みが取れない場合は手術が必要となります。

5. 後足が急に動かなくなり、歩けなくなった

診断 椎間板ヘルニア
処置
椎間板ヘルニア

矢印で示しているのが、
ヘルニアが起きているところです

キャンと鳴いた後に突然、後足が動かなくなってしまい来院されました。
神経検査の結果、脊髄の障害が疑われたため、専門施設にてMRI検査を行い、椎間板ヘルニアと診断しました。
その後、当院にて椎間板ヘルニアの手術とリハビリを実施した結果、歩行可能となりました。

6. 突然泡を吹きながら、けいれんしてしまう事が何回もあった

診断 特発性てんかん
処置

様々な原因で突然けいれんを起こすことがあります。この子は若齢で初発のけいれん発作を起こし、各種検査で明らかな原因が認められないことから、体質的にけいれんを起こしてしまう特発性てんかんと診断しました。
その後は、抗てんかん薬を内服し、発作が起きないように治療をしています。

7. 爪が戻らない

診断 近位趾節間関節脱臼
処置
近位趾節間関節脱臼 処置前

処置前

近位趾節間関節脱臼 処置前

処置前

近位趾節間関節脱臼 処置後

処置後

8歳の猫が、昨夜から右後肢を挙上し同肢第3趾の爪が引っ込まないとの主訴で来院されました。レントゲン検査を実施したところ同趾の近位趾節間関節の脱臼が認められたため、全身麻酔下で用手的に脱臼を整復し包帯で固定しました。現在は定期的にレントゲン検査と包帯交換をしながら経過観察中です。

8. 左前肢を挙上している

診断 副手根骨骨折
処置
副手根骨骨折

副手根骨骨折

副手根骨骨折

反対の肢(正常)

8歳のトイプードルが、ソファーから降りた時にキャンと鳴き、その後左前肢を挙上したため来院しました。触診にて同肢の手根の腫れ、屈曲痛および第一指付近の内出血を認めたため、レントゲンを撮影したところ、画像のように副手根骨の骨折が確認されました。副手根骨は手術による整復が難しく、付着している靭帯の機能は問題がなかったため、包帯での固定を実施しました。1ヶ月後には患肢も使って元気に歩いており、レントゲンでも骨片の間に骨増生が確認されていました。包帯を外してさらに1ヶ月後も改善傾向が認められたため、治療終了となりました。

9. 右肘を痛がり、跛行する

診断 内側鈎状突起分離
処置
内側鈎状突起分離

術前のレントゲン像

内側鈎状突起分離

術前のCT像(患肢)

内側鈎状突起分離

術前のCT像(患肢)

内側鈎状突起分離

術前のCT像(対側肢)

内側鈎状突起分離

術前のCT像(対側肢)

内側鈎状突起分離

術後のレントゲン像

内側鈎状突起分離

術後のCT像

内側鈎状突起分離

術後のCT像

内側鈎状突起分離

鈎状突起切除前の肘関節

内側鈎状突起分離

鈎状突起切除後の肘関節

1歳のポメラニアンが、2ヶ月前から右前肢の跛行があり消炎鎮痛剤を内服しても改善しないという主訴で来院されました。触診で右肘関節の伸展・屈曲時痛があり、レントゲン検査で肘関節面の不整合がみられ、尺骨内側鈎状突起(黄色矢印)周辺で骨硬化による不透過性亢進が見られました。CT検査では、内側鈎状突起が損傷により変性しており、骨軟化や辺縁の鈍化が見られました。当院整形外科専門外来において外科手術を実施し、右尺骨の内側鈎状突起を切除しました。 内側鈎状突起分離は橈骨と尺骨の成長の不一致などにより生じる疾患です。若齢の大型犬に多い疾患ですが、まれに今回のように小型犬でも見られることがあります。外科手術を行い、不整合を生じている、または分離している内側鈎状突起を切除することで治療します。 現在この症例は当院リハビリ科に通っており、順調に回復しております。

10. 階段から落ちたあとに跛行している(左後肢の中足骨足根骨間脱臼)

整形 創外固定法
診断 中足骨足根骨間脱臼
中足骨足根骨間脱臼

1歳の猫が階段から落ちて跛行しており、レントゲンで左後肢の中足骨足根骨間の脱臼を認めました。 今回は脱臼した関節の上下の骨にピンを通し、関節が動かないようにピン同士を固定する創外固定法を実施しました。 この方法は脱臼を整復した状態で関節を不動化し、周囲組織が安定化するまで保持することを目的とします。 創外固定法は患肢骨に直接プレートを当てないため、感染の危険がある解放骨折や、整復の難しい粉砕骨折に適用されます。 ピン周囲の皮膚の感染に注意しながら経過を観察し、術後2ヶ月で片側のピンを、3カ月後に全てのピンを抜きました。現在は経過観察中です。

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