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2023.7.13 眼科勉強会
2023年7月14日
今回はぺテモどうぶつ医療センター相模原の寺門邦彦先生に、「外傷性眼疾患」について講義していただきました。
外傷性眼疾患には、外傷性角膜潰瘍・角膜炎、結膜下出血、眼瞼の外傷、瞬膜の外傷、眼球脱出があります。外傷性角膜潰瘍・角膜炎は異所性睫毛や眼瞼内反、異物などが原因で生じ、角膜に当たっているものを取り除くことが治療法となります。SCCEDsと呼ばれる角膜の疾患と所見が似ていますが治療法が異なるため、異物を見逃さないことが重要です。結膜下出血の多くは交通事故や喧嘩が原因となり、診断時にぶどう膜炎や角膜潰瘍を併発していないか、確認する必要があります。咬まれたことによる眼瞼外傷では、強膜に穴が開き眼球が虚脱していないかの確認も必要です。瞬膜に裂傷があり縫合する際には、角膜に縫合糸が当たらない部位のみを縫い合わせます。
眼球脱出は緊急疾患であり、できるかぎり早期に眼球整復を行うことで失明のリスクを下げることができます。損傷が激しく眼球整復が難しい場合には眼球摘出を行います。
日常の診察で角膜潰瘍に遭遇することは多くありますが、難治性の角膜潰瘍の場合に外傷がないかどうか、注意深く観察していきたいです。
獣医師 菅原里佳