みなみ野動物病院

お知らせ

NEWS

2024.4.8 皮膚科勉強会

2024年4月26日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「痒みを生じる先天的要因」をテーマに講義していただきました。
犬の痒みの先天的要因には、いわゆるふけ症・あぶら症・多汗症・しわ症があります。これらは体質であり、治療して治るものではありません。スキンケアとしてシャンプーを実施、症状によってステロイド製剤を使用、多汗症のように感染を起こしやすい場合には細菌の管理などを行います。
先天的に皮膚にトラブルがあると必ず痒みを生じるとは限りませんが、痒みを引き起こす素因にはなるので注意深く見ていく必要があると感じました。

獣医師 安平

2024.3.14 眼科勉強会

2024年3月15日

今回は、ペテモどうぶつ医療センター相模原の寺門邦彦先生に、『猫の眼疾患』について講義して頂きました。
猫の眼疾患には、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどによる結膜炎や、ヘルペスウイルス感染に伴う角膜黒色壊死症、好酸球性角結膜炎、また、様々な原因により起こるぶどう膜炎、腎不全などによる高血圧が原因で起こる網膜剥離、腫瘍の一つである猫び漫性虹彩メラノーマ、など、多岐に渡ります。
疾患によっては予防が可能なものもありますが、中には発見が遅れると視覚消失に繋がってしまうこともあります。
おうちの猫ちゃんで、もし気になる眼の症状がある場合はなるべく早めに来院してください!

獣医師 松田

2024.2.5 皮膚科勉強会

2024年2月9日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に犬の「脱毛」をテーマにお話していただきました。
犬の脱毛には、先天性と後天性があり、多くは後天性です。先天性の場合にはある一定のパターンで脱毛するパターン脱毛症や、毛が黒や淡い色の部分のみ脱毛する遺伝疾患があります。後天性に脱毛を引き起こすものには、毛周期の異常が原因になる全身性の疾患や、身体的異常を伴わない毛周期停止などがあります。
「脱毛」が主訴でも全身の疾患が原因だったり、根本的な治療が難しいものがあったりするため、適切な診断が大切だと改めて感じました。

獣医師 安平

2023.12.12 皮膚科勉強会

2023年12月16日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「アレルギー性皮膚炎の診断と治療」をテーマに講義していただきました。
アレルギー性皮膚炎には、食物アレルギーとノミアレルギー性皮膚炎、疥癬があります。それぞれ村山先生の経験も踏まえて診断から治療についてお話しいただきました。食物アレルギーの評価には、臨床徴候・除去食試験・食物負荷試験を用い、療法食で痒みがコントロールできれば療法食での治療、痒みが強ければ痒みどめを併用して治療します。ノミや疥癬に対するアレルギーでは、少数の寄生でも強い痒みが引き起こされるため、予防や駆虫が重要です。
獣医師 安平芙由

愛玩動物看護師向け腫瘍セミナー

2023年12月9日

今回は、当院の腫瘍専門外来の中野優子先生に「オンコロジックエマージェンシー」というテーマで講義していただきました。オンコロジックエマージェンシーとは、悪性腫瘍のために緊急な対応が必要となる症状の総称です。
セミナーでは、緊急対応が必要になる状態とその対応方法についてお話をしていただきました。
肝臓や脾臓の腫瘍からの出血による腹腔内出血や、心臓の腫瘍からの出血による心タンポナーデ、鼻腔内・咽喉頭・気管から発生する腫瘍による気道閉塞など、そのほかにも緊急性のある代表的な状態について学ぶことができました。それぞれの状態によって対応が変わってくるため、その子に必要な処置や器具の準備を考え、できるだけ早く実施できるよう腫瘍の病態や症状についてしっかり勉強していきたいです。
愛玩動物看護師 島田寧々

2023.12.3 腫瘍科勉強会

2023年12月7日

今回は当院の腫瘍専門外来の中野優子先生に、「困まる犬の肥満細胞腫」というテーマで講義をしていただきました。
肥満細胞腫は皮膚にできることが多い腫瘍で、可能であれば外科切除が第一選択になります。腫瘍のサイズや転移があるかどうか、遺伝子変異の有無で、切除範囲や治療(薬物療法)の選択をします。特にリンパ節への転移があるかどうかは重要なので、エコーでの確認が必須です。今回の勉強会では指や包皮、口唇など、よく見かける部位以外にできた肥満細胞腫も紹介していただきました。指間は切除が難しかったり、粘膜の肥満細胞腫は遺伝子変異が多かったりするので、薬物療法が効果的なことがあり、症例によって適切な治療を選択することが重要です。
獣医師 安平芙由

2023.10.30 皮膚科勉強会

2023年11月30日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「犬アトピー性皮膚炎(CAD)の診断と治療」をテーマにお話していただきました。
アトピーと診断する時には、年齢や痒みを起こしている部位、飼育環境、グルココルチコイドへの反応などの評価が必要です。犬種によって痒みの起きやすい部位が異なることもあります。また、治療に使用する薬剤も痒みや皮膚の症状を見ながら選択していきます。
アトピーは生涯治療していく疾患になるので、今回学んだことを身につけ、わんちゃんと飼い主様の両方が満足できる治療を提供していきたいです。

獣医師 安平芙由

2023.11.9 眼科勉強会

2023年11月30日

今回は、ペテモどうぶつ医療センター相模原の寺門邦彦先生に、『犬と猫の眼の腫瘍』について講義して頂きました。
眼の腫瘍と一言で言っても、その中には瞼にできるものや、結膜にできるもの、眼球自体にできるもの、眼窩(眼の奥)にできるもの、などさまざまな種類があります。また、犬と猫での発生率や良性・悪性の違いもさまざまで、見た目だけで判断できないものもたくさんあります。中にはただの色素沈着で、腫瘍ですらないものもあります。
ご自宅のわんちゃんねこちゃんの瞼や眼球にできものがあったり、違和感がある場合は、ぜひ一度診察にいらしてください。

獣医師 松田

2023.10.28 麻酔勉強会

2023年11月6日

今回は東京大学の長久保先生に「血液ガス検査」をテーマに講義をしていただきました。
血液ガス検査のための動脈採血の方法については、エコー下で行う方法を動画を用いて教えていただきました。
検査結果の評価の仕方については、呼吸と酸塩基平衡に分けてみていきます。呼吸については酸素化障害、換気障害の有無を評価します。酸塩基平衡については4つのステップにより評価をしていきます。
今回学んだことを身につけ、血液ガス検査を日々の診療、入院管理にも活用していきたいです。

獣医師 安平芙由

2023.8.28 皮膚科勉強会

2023年8月30日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「犬の感染症 Part2」というテーマで講義していただきました。マラセチア皮膚炎、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症の症状や検査法、治療法について教えていただきました。
マラセチア皮膚炎は脂の多い頸部腹側などで発症しやすく、症状は急性期と慢性期に分けられます。皮膚検査においてマラセチアが検出されなくても、症状からマラセチア皮膚炎と診断し治療的な評価を行うことがあります。
ニキビダニ症の初期の症状は脱毛斑や面ぽうですが、悪化すると炎症が広範囲に広がり蜂窩織炎を起こすことがあります。ニキビダニ症の診断では原因となるニキビダニを検出することが重要です。近年ではニキビダニを駆虫できる成分が含まれているノミダニ予防薬もあり、ニキビダニ症自体の発生は少なくなっています。
犬の皮膚糸状菌症では脱毛や鱗屑に加えて丘疹、紅斑が見られます。検査方法はいくつかありますが、いずれも検出率が100%ではありません。より検出しやすい器具を使用したり、採材する部位を見極める必要があります。抗真菌薬の内服により治療します。また、生活環境中の糸状菌を除去することも有効です。
遭遇する機会が少ない皮膚疾患でも見逃すことがないように、様々な可能性を考えて診療にあたりたいと思いました。

獣医師 菅原里佳

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