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2023.8.28 皮膚科勉強会
2023年8月30日
今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「犬の感染症 Part2」というテーマで講義していただきました。マラセチア皮膚炎、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症の症状や検査法、治療法について教えていただきました。
マラセチア皮膚炎は脂の多い頸部腹側などで発症しやすく、症状は急性期と慢性期に分けられます。皮膚検査においてマラセチアが検出されなくても、症状からマラセチア皮膚炎と診断し治療的な評価を行うことがあります。
ニキビダニ症の初期の症状は脱毛斑や面ぽうですが、悪化すると炎症が広範囲に広がり蜂窩織炎を起こすことがあります。ニキビダニ症の診断では原因となるニキビダニを検出することが重要です。近年ではニキビダニを駆虫できる成分が含まれているノミダニ予防薬もあり、ニキビダニ症自体の発生は少なくなっています。
犬の皮膚糸状菌症では脱毛や鱗屑に加えて丘疹、紅斑が見られます。検査方法はいくつかありますが、いずれも検出率が100%ではありません。より検出しやすい器具を使用したり、採材する部位を見極める必要があります。抗真菌薬の内服により治療します。また、生活環境中の糸状菌を除去することも有効です。
遭遇する機会が少ない皮膚疾患でも見逃すことがないように、様々な可能性を考えて診療にあたりたいと思いました。
獣医師 菅原里佳