みなみ野動物病院

お知らせ

NEWS

2023.12.12 皮膚科勉強会

2023年12月16日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「アレルギー性皮膚炎の診断と治療」をテーマに講義していただきました。
アレルギー性皮膚炎には、食物アレルギーとノミアレルギー性皮膚炎、疥癬があります。それぞれ村山先生の経験も踏まえて診断から治療についてお話しいただきました。食物アレルギーの評価には、臨床徴候・除去食試験・食物負荷試験を用い、療法食で痒みがコントロールできれば療法食での治療、痒みが強ければ痒みどめを併用して治療します。ノミや疥癬に対するアレルギーでは、少数の寄生でも強い痒みが引き起こされるため、予防や駆虫が重要です。
獣医師 安平芙由

愛玩動物看護師向け腫瘍セミナー

2023年12月9日

今回は、当院の腫瘍専門外来の中野優子先生に「オンコロジックエマージェンシー」というテーマで講義していただきました。オンコロジックエマージェンシーとは、悪性腫瘍のために緊急な対応が必要となる症状の総称です。
セミナーでは、緊急対応が必要になる状態とその対応方法についてお話をしていただきました。
肝臓や脾臓の腫瘍からの出血による腹腔内出血や、心臓の腫瘍からの出血による心タンポナーデ、鼻腔内・咽喉頭・気管から発生する腫瘍による気道閉塞など、そのほかにも緊急性のある代表的な状態について学ぶことができました。それぞれの状態によって対応が変わってくるため、その子に必要な処置や器具の準備を考え、できるだけ早く実施できるよう腫瘍の病態や症状についてしっかり勉強していきたいです。
愛玩動物看護師 島田寧々

2023.12.3 腫瘍科勉強会

2023年12月7日

今回は当院の腫瘍専門外来の中野優子先生に、「困まる犬の肥満細胞腫」というテーマで講義をしていただきました。
肥満細胞腫は皮膚にできることが多い腫瘍で、可能であれば外科切除が第一選択になります。腫瘍のサイズや転移があるかどうか、遺伝子変異の有無で、切除範囲や治療(薬物療法)の選択をします。特にリンパ節への転移があるかどうかは重要なので、エコーでの確認が必須です。今回の勉強会では指や包皮、口唇など、よく見かける部位以外にできた肥満細胞腫も紹介していただきました。指間は切除が難しかったり、粘膜の肥満細胞腫は遺伝子変異が多かったりするので、薬物療法が効果的なことがあり、症例によって適切な治療を選択することが重要です。
獣医師 安平芙由

2023.10.30 皮膚科勉強会

2023年11月30日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「犬アトピー性皮膚炎(CAD)の診断と治療」をテーマにお話していただきました。
アトピーと診断する時には、年齢や痒みを起こしている部位、飼育環境、グルココルチコイドへの反応などの評価が必要です。犬種によって痒みの起きやすい部位が異なることもあります。また、治療に使用する薬剤も痒みや皮膚の症状を見ながら選択していきます。
アトピーは生涯治療していく疾患になるので、今回学んだことを身につけ、わんちゃんと飼い主様の両方が満足できる治療を提供していきたいです。

獣医師 安平芙由

2023.11.9 眼科勉強会

2023年11月30日

今回は、ペテモどうぶつ医療センター相模原の寺門邦彦先生に、『犬と猫の眼の腫瘍』について講義して頂きました。
眼の腫瘍と一言で言っても、その中には瞼にできるものや、結膜にできるもの、眼球自体にできるもの、眼窩(眼の奥)にできるもの、などさまざまな種類があります。また、犬と猫での発生率や良性・悪性の違いもさまざまで、見た目だけで判断できないものもたくさんあります。中にはただの色素沈着で、腫瘍ですらないものもあります。
ご自宅のわんちゃんねこちゃんの瞼や眼球にできものがあったり、違和感がある場合は、ぜひ一度診察にいらしてください。

獣医師 松田

2023.10.28 麻酔勉強会

2023年11月6日

今回は東京大学の長久保先生に「血液ガス検査」をテーマに講義をしていただきました。
血液ガス検査のための動脈採血の方法については、エコー下で行う方法を動画を用いて教えていただきました。
検査結果の評価の仕方については、呼吸と酸塩基平衡に分けてみていきます。呼吸については酸素化障害、換気障害の有無を評価します。酸塩基平衡については4つのステップにより評価をしていきます。
今回学んだことを身につけ、血液ガス検査を日々の診療、入院管理にも活用していきたいです。

獣医師 安平芙由

2023.8.28 皮膚科勉強会

2023年8月30日

今回は犬と猫の皮膚科の村山信雄先生に「犬の感染症 Part2」というテーマで講義していただきました。マラセチア皮膚炎、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症の症状や検査法、治療法について教えていただきました。
マラセチア皮膚炎は脂の多い頸部腹側などで発症しやすく、症状は急性期と慢性期に分けられます。皮膚検査においてマラセチアが検出されなくても、症状からマラセチア皮膚炎と診断し治療的な評価を行うことがあります。
ニキビダニ症の初期の症状は脱毛斑や面ぽうですが、悪化すると炎症が広範囲に広がり蜂窩織炎を起こすことがあります。ニキビダニ症の診断では原因となるニキビダニを検出することが重要です。近年ではニキビダニを駆虫できる成分が含まれているノミダニ予防薬もあり、ニキビダニ症自体の発生は少なくなっています。
犬の皮膚糸状菌症では脱毛や鱗屑に加えて丘疹、紅斑が見られます。検査方法はいくつかありますが、いずれも検出率が100%ではありません。より検出しやすい器具を使用したり、採材する部位を見極める必要があります。抗真菌薬の内服により治療します。また、生活環境中の糸状菌を除去することも有効です。
遭遇する機会が少ない皮膚疾患でも見逃すことがないように、様々な可能性を考えて診療にあたりたいと思いました。

獣医師 菅原里佳

2023.7.27 腫瘍科勉強会

2023年8月5日

今回は当院の腫瘍専門外来の中野優子先生に「腫瘍科しくじりあるある」というテーマで、中野先生ご自身の経験や、紹介のあった症例で感じた、腫瘍疾患の治療中に特に注意するべきことをお話ししていただきました。
継続してみていた疾患以外の新たな腫瘍の発見が遅れてしまったり、手術で腫瘍切除後にリンパ節や他の部位の転移が見つかったりすることがないように、身体検査や画像検査など、ルーティーンの検査を見逃しがないようにしっかりと行なっていきたいと思います。
また、後半では抗がん剤治療中によくある質問についてのお話もしていただきました。副作用や抗がん剤の排泄、サプリメントの使用について改めて聞くことができました。サプリメントは種類によって抗がん剤の治療効果を下げる場合もあるため、注意が必要です。

獣医師 安平芙由

2023.7.13 眼科勉強会

2023年7月14日

今回はぺテモどうぶつ医療センター相模原の寺門邦彦先生に、「外傷性眼疾患」について講義していただきました。
外傷性眼疾患には、外傷性角膜潰瘍・角膜炎、結膜下出血、眼瞼の外傷、瞬膜の外傷、眼球脱出があります。外傷性角膜潰瘍・角膜炎は異所性睫毛や眼瞼内反、異物などが原因で生じ、角膜に当たっているものを取り除くことが治療法となります。SCCEDsと呼ばれる角膜の疾患と所見が似ていますが治療法が異なるため、異物を見逃さないことが重要です。結膜下出血の多くは交通事故や喧嘩が原因となり、診断時にぶどう膜炎や角膜潰瘍を併発していないか、確認する必要があります。咬まれたことによる眼瞼外傷では、強膜に穴が開き眼球が虚脱していないかの確認も必要です。瞬膜に裂傷があり縫合する際には、角膜に縫合糸が当たらない部位のみを縫い合わせます。
眼球脱出は緊急疾患であり、できるかぎり早期に眼球整復を行うことで失明のリスクを下げることができます。損傷が激しく眼球整復が難しい場合には眼球摘出を行います。
日常の診察で角膜潰瘍に遭遇することは多くありますが、難治性の角膜潰瘍の場合に外傷がないかどうか、注意深く観察していきたいです。

獣医師 菅原里佳

愛玩動物看護師向け腫瘍セミナー

2023年7月8日

今回は、当院の腫瘍専門外来担当の中野優子先生に、「犬のリンパ腫」についてのセミナーを行なっていただきました。
リンパ腫とは、リンパ球という血液の免疫細胞が腫瘍化した疾患で、リンパ節や脾臓などのリンパ組織や、消化管や皮膚にもできる腫瘍のことです。
セミナーでは、このリンパ腫の種類、診断方法、診断するための細胞診検査の染色の方法、リンパ腫によって起こる血液や体調の異常、抗がん剤による治療と副作用のことなどをお話していただきました。
リンパ腫にも様々な種類があり、細胞診の検査で診断できるのは中~大型のリンパ球が50%以上増加した高悪性度のリンパ腫のみで、小~中型のリンパ球のリンパ腫は病理組織の検査に出す必要があります。また、それぞれ細胞診のスライドでどのように見えるかも異なります。
治療の話では、使用する抗がん剤には様々な種類がありそれぞれどのような副作用が起こるのかや、副作用で苦しむことが無いように予防的に吐き気止めのくすりを使うなど、改めて詳しく聞くことができとても勉強になりました。

動物看護師として、検査の時には診断に必要な細胞診の標本を正しい方法できれいに染色できるように心がけたいと思いました。
また、実際に治療する子がいる時には、抗がん剤治療をしている子にどんなことが起こる可能性があるのかを把握し、何か異常があったときにすぐに気づけるように、動物たちをよく観察していきたいです。

愛玩動物看護師 瀬尾美帆

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